サムライ刑事(6)

12月24日を間近に控えたある日の晩、武蔵の父・武士の口から衝撃発言が飛び出した。
なんと、今年は家族でクリスマスを祝おうというのである! 外国の文化を忌み嫌い、クリスマスなどにはまったく興味がないはずの武士に、いったい何が起きたというのだろうか…!?桜が花を咲かせ、季節が春を迎えたある日のこと。
武蔵は、かつて合同捜査でペアを組んだ島田刑事が退官することを知り、祝いの挨拶に向かうことに。
見るからにうだつのあがらないおっさんという風体の島田は、華々しい手柄とは無縁の人物だった。
同行した香織も武蔵自身も、なぜ彼に会いにいくのか疑問に思っていたが、そこで意外な光景を目にすることに!同僚の結婚式で、警察学校の同級生である岡倉と会った武蔵。
元ヤクザの娘との婚約を理由に、発砲事件の捜査から外されてしまった失意の彼のもとに、婚約者が新たな事件の人質になったとの報せが舞い込んだ!! 現場の幼稚園に急行した岡倉だったが、同時に人質となっているのが彼の上司でもある課長の娘であることを知る。
その課長こそ、彼を捜査から外した張本人だったのだが…。
グランド・スプリングスがかつてない規模の嵐に見舞われた金曜の夜、ペギー・サクソンは家で一人、おびえながら苦痛にあえいでいた。
一刻も早く病院へ行かなければならないというのに、救急車もすべて出払っているという。
どうしたらいいのだろう? うずくまる中、突然裏口のドアが開き、一人の男性が入ってきた。
彼は優しくペギーを抱き上げると、外へ止めてある車へと運んだ。
ラーラは通学しながらアシュトン家のメイドとして働いている。
ある日スペンサーの葬儀後の集まりがアシュトン邸で行われ、忙しく立ち働いていると、魅力的な男性に声をかけられた。
彼に惹かれたラーラは、屋敷を抜け出して甘いひとときを楽しんだ。
めくるめく交歓の余韻を胸に目覚めたとき、彼が何者かを知って唖然とする。
イーライ・アシュトン――傲慢で冷酷なアシュトン家の一員。
しがないメイドが恋をしていい相手ではない。
ラーラは身支度もそこそこに逃げ出した。
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